腎保存期だったころの記事です/調味料と使い方

腎保存期だったころの記事です/調味料と使い方いっしょに食べる
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我が家で使用しているおすすめ調味料を紹介します。
塩分控えめだとリンやカリウムが気になったり、調味料の味が薄くて飽きてしまったりすることもありました。
夫からもそういった要望が多かったですが、調味料の使い方を改良していくことで夫も納得して食べてくれています☆

はじめに:夫の腎機能ステージ&塩分・カリウム・リンの摂取制限

ちひろ家の調味料選びや食べ方を紹介する前に、前提として夫の病状をお伝えしておきます。
ご自身やご家族と比べてみて、参考にしてくださるならバランスを調整してください。

まず腎機能のステージについてですが、夫は1年前に「あなたは慢性腎臓病でステージはG5」だと診断されました。
診断当時、急性心不全の症状が慢性腎臓病の合併症として現れました。

その後、医師と栄養士さんに指導を受け、定期検査と食事療法を開始。
夫の病状としては、まだ透析をしなくても良い段階で、定期検診と食事による治療が行われています。
また、1年前の検査入院時のステージはG5でしたが、夫の体質上の特性もあり、2021年3月現在ではなぜかステージG4に落ち着いています。

2021年7月現在、主治医に質問したところ、次のような回答をいただきました。①入院時の血液検査では腎機能は確かにステージG5だったが、夫の体質が特殊なわけではなく、夫は元々ステージG4だったと認識していること。②1年前の入院時に慢性腎臓病の合併症である急性心不全の症状が出ていたことも考えると、入院時は腎機能がステージG5まで低下していたと考えられること。

2021年7月現在、病名は慢性腎臓病ではなく「慢性腎不全」に移っています。

塩分:菓子パン好きも考慮し、献立は食塩1日あたり3gを目安に

夫は菓子パンやお菓子を食べるのが好きです。
夫はまだ38才で、今までと同様の負荷をかけて仕事を続けていること、そして元々ストレスを食で晴らそうとする人です。
そんなこともあって、私が作る3食分の食事は1日3gを目標にしています。

カリウム:控えるよう指導を受けるに留まっている

塩分を制限したら、細胞内の水分調整についてもう一端を担う「カリウム」についても、制限が必要になります。
このカリウムについては、調理方法や食べる食事についての指導は受けていますが、食事の中のカリウム摂取量を厳密に管理することまでは求められてはいません。

リン:「今のところ摂取量は気にしなくて良い」とのこと

夫は、人工透析を受けていません。
将来的に人工透析を検討するレベルにまで腎機能が低下したときには、リンの摂取制限も設けられると思います。

栄養士さんから指導を受けた栄養面のポイント4つ

まず、栄養士さんから指導を受けた内容の中で、栄養面についての事柄は、下記の4つです。

  • タンパク質は1食20g
  • 1日あたりの塩分摂取目安量は5.5g
  • カリウムの摂取を控える
  • 心不全の合併症予防に、1日の水分量は1.5L前後

この指導をもとに自宅で腎臓病食を作るようになりました。
また、献立1食あたりの栄養素の摂取量については、毎食ごとに計算して、間食したおやつなどを聞いて、1日分の栄養摂取量を把握する毎日でした。

ちひろが実践して分かったこと

そうして1年が経ちましたが、管理人・ちひろは、腎臓病食を作る上で「調味料選びがとても重要」だということを知りました。
以下の6つが、ちひろが思う調味料選びのコツです。

  • おいしい出汁を採る(足のむくみがある人は煮汁の調整も)
  • 砂糖は緩やかに甘みを感じるものを
  • 肉の下味は塩なし&スパイス・ハーブ・香辛料で漬け込む
  • アーモンド等で食感UP&シリアルでビタミンミネラル補給
  • ゼリーや寄せにはゼラチンの代わりに寒天・アガーを使う
  • エネルギーは脂質で積極的に補う

調理によっては使わないこともありますが、どれか1つは使うことになるはずです。
それでは、それぞれを説明していきますね。

1.おいしい出汁を採る(足のむくみがある人は煮汁の調整も)

美味しい出汁をとると食べるときの満足感が断然よいので、盛り付けの際には煮汁やスープも入れます。
ただし、張本人の夫は、ほとんど飲みません。理由は、水分量を制限するよう指導されているからです。素材が生きたお出汁には、素材から出るカリウムも豊富だということも知っておきたいところです。

夫のように、慢性的に足のむくみがある人は、「煮汁やスープを飲まないで」と水分量の指導を受けているかと思います。

  • 昆布だし
    汁物、鍋物には昆布だしを作ります。
    栄養士さんから、汁物の水分はあまり飲みすぎないようにと言われていますので、食卓に出すときは私や息子と比べて汁気を少量にします。
    汁はほとんど飲みませんが、ちゃんと昆布だしを採ることで風味が断然豊かになり、満足感が高くなります。
    昆布だしを採ると少量の味噌でも旨味を感じられるので、結果的にインスタントよりも風味豊かで塩分控えめの汁物が出来上がります。後述するおすすめ調味料では、ちひろ家で使っている「だし昆布」と、顆粒タイプで塩分無添加の「昆布だし」を紹介します。
    どちらも美味しいので、続けられるなと思ったほうを選んでみてください。ちなみに、私が面倒でもだし昆布を選ぶ理由は、出がらし昆布を佃煮にできるからです。
    私と息子が食べます。
    昆布は毎日使うので、そのまま捨てるのはもったいないですからね。
    これは、料亭で調理をしていたお義父さんから教えてもらいました。佃煮は、出がらし昆布を洗って冷凍保存しておき、半月に1度のペースで炊きます。
    じゃこ・ゴマなどを入れると美味しいので、ぜひ試してみてくださいね。
  • かつお出汁、あご入り出汁
    味噌汁の昆布だしに加えるかつお出汁、そして煮物用のあご入り出汁も、美味しいと実感したものを使用しています。
  • 味噌
    塩分を気にして、豆味噌・赤味噌を使いません。
  • コンソメ
    ここで紹介するブイヨンの他にも、私は冷凍保存しておいた野菜のヘタを煮て、ブイヨンを作ることがあります。野菜によってカリウムの含有量が異なりますが、塩分の摂取量は抑えられます。調味料にこだわるとコストがかかるので、私はこうした方法も取り入れています。そのときには大判の不織布パックが便利なので、一緒に紹介しますね。

おすすめの調味料

昆布だし

  • だし昆布

    煮出し用のポットに水といっしょに入れて、作っておきます。
    取りだした昆布は、ジッパーつきの保存袋に入れて冷凍。
    我が家は和食が多いので2週間サイクルで佃煮にしたり、炊き込みご飯に刻んで入れてまるごと食べたりしています。
  • 塩分無添加の顆粒タイプ

    忙しいときには、もうこの顆粒だしに頼りっぱなしです!
    化学調味料不使用なので、しょっぱいとは感じません。
    カリウムまで粉砕されているので、その辺は間接的な方法ですが、文部科学省の栄養成分を参考して下さいね。
    各レシピの最後にリンクを貼っています☆

かつお出汁・あご入り出汁

  • かつお出汁(無添加・顆粒)

    昆布だしと同じくです!
    また、関西出身の夫婦なので鰹の香り濃いめが好きです。
    昆布だしを半分にして、そのぶん鰹だしを多めにすることもあります。
  • 削りかつおぶし

    年末年始のお蕎麦やお雑煮の出汁は、削り鰹でしっかり出汁をとります。
  • あご入り出汁(無添加・だしパック)

    焼きあご入りの減塩だしパック。
    塩味は薄いが、旨味は濃いです。

味噌(塩分控えめ)


  • 麦の合わせ味噌。かなり有名なメーカーですよね?関西だけ?
    減塩の合わせ味噌では大人気。
    塩分相当量が100gあたり8.1g、大さじ1杯だと1.215g。
    私はたとえ減塩でも味噌をしっかり一人分は使いません。
    その分、しっかりと出汁を取って旨味が出るように作っています。

  • 減塩白味噌300gと熟成赤味噌300gの味噌セット。
    味噌汁も地域によって好みがあるでしょうし、料理のレパートリーが広がる減塩味噌セットです◎

野菜ブイヨン

  • 無添加の野菜ブイヨンパック

    減塩、無添加の野菜ブイヨン。やさしい味で美味しーい◎
    ハンバーグの下味にすることもあります。
    でもその時は、「肉汁や出汁まで飲まずに塩分を調整してね」と伝えています。
  • 大判の不織布パック(自宅で煮出すなら)

    冷凍保存した野菜のヘタや煮干しなど、出汁をしっかり採りたいひと向き。

2.砂糖は緩やかに甘みを感じるものを

おすすめの調味料

  • きび糖

    三温糖やオリゴ糖を使っていたこともあります。
  • オリゴ糖

    料理用にはコクのあるこちらのオリゴ糖を。きび糖よりは控えめな甘さですが、精製されたオリゴ糖よりもコクは感じました。私はコーヒーや
  • 個包装・ケータリング用の「粉飴」

    病院で勧められた、ケータリングの砂糖です。
    ナトリウム、カリウム、リンを含まないので、お菓子よりも栄養管理しやすい。
    腎臓病治療の栄養管理の中で、制限すると逆に不足してしまう、エネルギー。
    そのエネルギーを、いつでもどこでも補えるのがこの「粉飴」です。
    1包50kcal。

3.スパイスやハーブ、香辛料で漬け込む

  • スパイス
    黒胡椒や和山椒は、粒を買っています。
    粒を砕いて味つけに使うだけでなく、煮付けの際の臭い消しに使っています。
    ミル付きを買うと粒でも使えるので、便利です。
    鶏肝の煮付けをする際に、黒胡椒または和山椒の粒を使ってみてください。
    ワインに合うおかずになったり、いつもの味と雰囲気が変わります。
  • ハーブ
    生肉の下味には、塩を使いたくありません。
    そのため、市販のシーズニングは使わず、ハーブとスパイス、オイル(後述します)を組み合わせてなんとなくそれっぽいものを作っています。スーパーで買えて、詰替え用もあるシリーズなら買い足すのに便利です。
    ただ、ハーブは好みがはっきり分かれるものもあるので、瓶タイプで内容量の少ないものを紹介します。
    お好きな味でしたら、続けて買ってみてくださいね。
  • 香辛料
    ゆず七味を、うどんや筑前煮に使います。

おすすめの調味料

スパイス

  • ブラックペッパーの実

    ミル付き。
    私もなんですが、粒のままでよく使うかたは詰め替え用必須な少量ミルです。
  • 和山椒の実

    私が山椒を使った佃煮やら魚の煮付けが大好きで、欠かしたことがありません◎
    しびれますよねぇ~。
    麻婆豆腐も山椒の辛さのほうが好きです。

ハーブ

香辛料

おすすめミル

挽き立ての新鮮風味を楽しめる
瓶の中でハーブスパイスをブレンドしておいて、ミルで挽けば簡単美味しい!
鶏ささみのハーブ漬け、コリアンダーやクミンなどを使って作ってみたのが次のレシピです。

鶏ささみで2品/無塩ハーブオイル漬けと生春巻き
鶏ささみで2品!①鶏ささみのハーブオイル漬け/腎臓病食を作る我が家で重宝しています。作り置きに◎フライやソテーではソースやケチャップの塩味だけでちょうど良し。②鶏ささみの春巻き/冷凍パプリカを巻いて節約しました。高たんぱくな腎臓病食レシピとして提案します!

4.アーモンド等で食感UP&シリアルでビタミンミネラル補給

  • ナッツ
    ですので、ナッツは食塩無添加のミックスナッツが買えればよいかなと思っています。
    ナッツは砕いてドレッシングと混ぜて食べることもありますが、一方で、お弁当と一緒に持っていって間食に食べることもあります。
  • 玄米シリアル
    夫については、リンの摂取制限を設けられていないため、玄米を使ったシリアルを選んでいます。
    ヨーグルトに混ぜて食べたりもします。私もよく食べています。
    小麦も入っているのでグルテンフリーではないですが、小麦製品を食べるとお腹の調子が良くないので、こちらに代えました。大麦シリアルは小麦っぽい風味があるのに対し、玄米シリアルは自然な甘みと風味を感じられるので、好きです。
    私の所感ですが、大麦シリアルよりもモチモチしていて、満腹感が続くような気もしています(個人差あると思います)。

おすすめの調味料

5.ゼリーや寄せにはゼラチンの代わりに寒天・アガーを使う

栄養士さんから、「ゼラチンゼリーでなければ食べてよいですよ」と指導を受けています。
そのため、寒天ゼリーもしくは市販のこんにゃくゼリーを食べています。

    • 寒天
      ちひろ家では、食物繊維が摂取できることから粉寒天を常備しています。あえて寒天ゼリーを購入することはしません。
      実は粉寒天は、料理にも使えます。ハンバーグ・ロールキャベツ・餃子など、ひき肉料理のつなぎに使うと、小麦粉や片栗粉よりも胃もたれせず、さっぱりして美味しく戴けます。
      もちろん、果汁入りジュースを煮詰めて寒天ゼリー作ることもあります。
      こうして甘いゼリーを作る際には、お菓子用の寒天を使います。このお菓子用の寒天は、日本で売られているもので、後ほど紹介します。お菓子用の寒天は日本で「アガー」と言われていて、一般的な寒天とは区別されています。お菓子用の寒天は温めても溶けにくくゼラチンゼリーのような口溶けで、寒天とゼラチンの良さを併せ持っています。
      私がゼラチンゼリーではなく、あえてお菓子用寒天を選んでいる理由は、栄養士さんからの指導によるものです。
      果汁に含まれるカリウム含有量を把握しておく必要がありますが、製氷機皿などで少量に小分けして作って一口分を作っておけば、食後のお口直しにもなりますよ。

 

    • アガー
      アガーで固めたゼリーもおすすめです。
      アガーは、海藻を原料としている点が寒天と似ています。
      慢性腎不全の方へのデザートとしても広く利用されている食材です。

 

おすすめの調味料

6.エネルギーは脂質で積極的に補う

エネルギーの摂り方については、栄養士さんから「炭水化物よりも脂質を摂取する意識で献立を考えてみてください」と指導を受けています。

  • 揚げ物用オイル
    揚げ物には、ほかの食用油と比べて酸化しにくいと聞いたので、オリーブオイルを使っています。
    温野菜にかけるものとは別で、安いものを使っています。また、ココナッツオイルは揚げ焼きする際に使っています。
    オリーブオイルにココナッツオイルを加えると、カリッと仕上がり美味しいですよ。
    ココナッツオイルは、中鎖脂肪酸の「MCT」を含むものを選びました。
    栄養士さんから「腎臓病食にぜひ取り入れてほしい」と言われています。
  • MCT
    この流れで「MCT」というオイルの種類を説明しておきます。
    MCTは、中鎖脂肪酸に分類されます。
    常温では液体なので、料理を作ったあとに上からかけることができます。
    味が変わらないので、1日のどこかでスプーン1杯程度を、主菜・副菜・デザート・飲み物にかけて食べています。
    ケータリングできる個包装のものもあります。
    ちょっと高いので、夫専用、1日1回だけです。
  • エキストラバージンオイル
    少しでもビタミン摂取につながればと、温野菜サラダに使っています。
    揚げ物で使用しているオリーブオイルとは香りが全然違うので、お肉の下味を付けたあとで、スパイス・ハーブと一緒に使うこともあります。
  • そのほかのオイル
    オメガ3やオメガ6は、常備しているわけではありません。
    最近は、不飽和脂肪酸を配合した塩分控えめのマヨネーズなどがありますので、そういった調味料を選んでいます。

おすすめ調味料

揚げ物用オイル

MCT

エキストラバージンオリーブオイル

そのほかのオイル

キユーピー アマニ油マヨネーズ 200g
くすりのレデイハートショップ
¥ 386(2023/03/02 11:04時点)

まとめ:減塩調味料と塩分の1日摂取量5.5gについて

「減塩」表記の調味料を選ぶ場合は、なにと比べて「減塩」なのかを見極める目を肥やしましょう。
「当社の従来品と比べると減塩です」という内容が、小さく書かれていることもあります。

そして、管理人・ちひろの経験談としては食事療法の中で、塩分の調整に慣れるまでが相当大変です。
「成人の食事で、1日あたり5.5gの塩分しか摂取できない」というところです。

菓子パンひとつあたりの塩分量が、1g以上のことも多いです。
乾麺なら、1束あたり2g以上の塩分が含まれることもあります。

忘れてはいけないことは、慢性腎不全のご本人が食べたものを正直に伝えてくれる雰囲気作りです。
私は、よく忘れて爆発しています…。
自戒も込めて皆様にもお伝えしようと思いました。
これだけは忘れないでいれば、ご本人が食習慣にだんだん慣れていかれると思います。

最後に、選んだ調味料の扱い方を自分に落とし込むイメージで、毎日毎日使いましょう。
受験の参考書を1冊使い続けるみたいなもので、これをしておけば、調味料を変えた時にも戸惑うことが少なくなって、作るのが簡単になってくるんです。
腎臓病食をご家庭で作っておられるみなさんが使っておられる調味料を、ぜひ私にもコメント欄から教えてくださいね。

 

コメント 思ったこと、なんでもどうぞ(^^)

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